ホームガーデンにおけるブルーベリー栽培          
 ブルーベリーは、正しい品種を選び、正しい土壌改良を行えば、全国各地で栽培できます。
植え付け方としては、垣根作り、群生作り・・・・・など、自由に楽しめます。四季を通して楽しめる景観植物として、春には白やクリーム色、中には赤色の可憐な花を咲かせ、夏には魅力的なスカイブルー色の果実をたわわに実らせ、秋には赤や黄色と紅葉し、年間を通して楽しめます。
 また、ホームガーデンにおいてブルーベリーの樹は、ほとんど無農薬で栽培できます。まさに、オーガニック栽培として最適です。


 《正しい土壌改良
◎土壌のpH
ブルーベリーは、小果樹のなかで最もpHは低い土壌を必要とします。北部(ノーザン)ハイブッシュブルーベリーではpH4.3〜4.8、ラビットアイブルーベリーではpH4.3〜5.3になるように、ピートモスやイオウ粉末等で調整をして下さい。
  【調整方法】
@ 現状のpHが5.5〜6.0の場合は、ピートモスで調整をするだけでイオウ粉末を施す必要はありません。
60p(縦)×60p(横)×50p(深さ)の場所に、約50〜80リットルのピートモスを施し、良く混ぜて下さい。
*ピートモス混入後の土壌pHは、約4.5〜4.8に改良されていることになります。
(注意) ピートモスをよく混入すると活着率が上がり生長も良くなります。しかし、ピートモスを良くほくさずなかったり、直接100%ピートモスでの植え付けをすると、水や養分の管理が難しく、樹は弱くなりがちで、枯れてしまうこともあります。

A 現状のpHが6.0〜7.0の場合には、イオウ粉末やピートモスを施し、土壌改良を行う必要があります。2回に分けて実施して下さい。
1回目(植栽3〜4ヶ月前まで)
イオウ粉末を施して、よく混ぜて下さい。
(解説) 60p(縦)×60p(横)×50p(深さ)の場所にイオウ粉末100gを施し、よく混ぜて下さい。
*土壌pHは、1ポイント下がります。
2回目(植栽1週間前まで)
ピートモスを施して、よく混ぜて下さい。
(解説) 60p(縦)×60p(横)×50p(深さ)の場所によくほぐしたピートモスを約50〜80g施し掘り上げた土とよく混ぜ合わせて下さい。
*土壌pHは、約4.3〜4.8になります。
B 現状のpHが7.0以上の場合は、最寄りの園芸試験場もしくは、農業改良普及センター等にご相談して下さい。
  【イオウ粉末の入手方法】
 全国の農協や肥料店で販売しておりますが、少量でしたら、イオウ華という名で薬局で販売をしております。


 《排水
ブルーベリーの樹は、排水の良い土壌が必要です。
(テスト方法) 20p(縦)×20p(横)×20p(深さ)の穴を掘り、大量の雨が降った後に、水面レベルを観察します。24時間たっても水が穴に溜まったままならば違う場所をさがして植付けるかもしくは、24時間以内に水面が20〜30p下がるほどの高い畝を作って植え付けて下さい。


 《灌水
植え付けた年の灌水は特に重要になります。特に夏季の水やりは、ホース等を使って行って下さい。
(注意) 4〜5日に1回、十分に灌水します。毎日、水を与えると根腐れになることもありますので、2日に1回以上の灌水は行わないで下さい。


   
 《日照
日照時間は、できるだけ多い方が望ましいです。50%までの日陰は通常の許容範囲でありますが、収量は減る傾向にあります。最大限の収量を得るためには、日当たりの良い場所に植え付けして下さい。


 《種類
@ 北部(ノーザン)ハイブッシュブルーベリーの栽培適地は、おおむね桃あるいはりんごの栽培地帯(北海道中部から本州全体および九州地方の比較的冷涼な地域)です。
A ラビットアイブルーベリーの栽培適地は、東北南部から鹿児島県までの高冷地を除いたところです。
B 南部(サザン)ハイブッシュブルーベリーの栽培適地は、東北南部から鹿児島県(高冷地を除く)沖縄県までです。


栽培上重要な特性の比較
 北部(ノーザン)ハイブッシュブルーベリー、ハーフハイ(半樹高)ハイブッシュブルーベリー、南部(サザン)ハイブッシュブルーベリー、ラビットアイブルーベリーの栽培上重要な特性の比較
ブルーベリーのタイプ
果実
根・土壌条件
樹形 樹高(m) 樹勢 発育枝

枝の伸張
低温要求性 耐寒性 大きさ 品質 貯蔵性 収量 成熟期* 水分 耐乾性



pH

ノーザンハイブッシュ
1.0〜2.0
6月上旬〜7月下旬 ひげ根浅根性大 最も好む 4.3〜4.8
サザンハイブッシュ 小型 1.0 前後 中〜小 6月上旬〜7月下旬 ひげ根浅根性中 好む 4.3〜4.8
ハーフハイハイブッシュ 小型 1.0 前後 中〜小 6月上旬〜7月下旬 ひげ根浅根性中 好む 4.3〜4.8
ラビットアイブ 大型 1.5〜3.0
大〜中 極多 7月上旬〜9月上旬 ひげ根浅根性中 好む 4.3〜5.3
他の果樹との相違点 株もとから強い発育枝、地下をはってシュートが発生してブッシュ(株)状になるため、樹形、整枝、剪定法が大きく異なる。 果実の収穫期は、ノーザンハイブッシュおよびサザンハイブッシュでは主に梅雨期、ラビットアイでは盛夏から晩夏である。 根はひげ根で浅根性であるため乾燥に弱く、また、強酸性を好む、そのため、生育に適した土壌条件および土壌管理法が大きく異なる。
当社のある関東地方(準高冷地、高冷地を除く)の、ラビットアイブルーベリーは乾燥や暑さに強く、北部(ノーザン)ハイブッシュブルーベリーよりも土壌適応性が広く栽培しやすいです。
 また、近年南部(サザン)ハイブッシュブルーベリーと呼ばれるタイプが発表されました。これは、土壌条件や気象条件等への適応性が、北部(ノーザン)ハイブッシュブルーベリーとラビットアイブルーベリーの中間であります。


 《品種選択
 ホームガーデンにおける品種選びは、”とにかく育てやすい品種を!!”というものも大切な条件です。”やや栽培が難しい”と言われている品種に挑戦するのも、いかがでしょうか?
果実を楽しむ、樹や葉や花を楽しむ、栽培そのものを楽しむ・・・といろいろな楽しみ方があると思います。
 北部(ノーザン)ハイブッシュブルーベリーやラビットアイブルーベリーの品種間の葉や花の違いはほとんどありませんが、南部(サザン)ハイブッシュブルーベリーでは、品種毎に違いがあり、私たちを十分に楽しませてくれます。
 ここでは、当社の品種比較園で観察しました、少し特徴のある品種をご紹介します。
ケープ・ファー(早生)−− 樹 コンパクト
樹高 1〜1.2m位
樹勢 強く
果実のなる頃に、ふと気が付いて見てみると、甘く極大の果実がたわわに実っているのには、驚きます。
リベール(早生)−− 果実は完熟しなくても、甘く歯ごたえのある食味で、美味しく食べられます。
花は赤色です。
これだけの食味は、他にはありません。
ブラッデン(中生)−− 果実の大きさは、中粒ですが樹勢がたいへん強く、庭木としても楽しみな品種です。
花の色は、ブルーベリーの数の多くの品種の中で、一番きれいな赤色です。
マグノリア(中、晩生)−− 果実は大きく、甘いです。
樹形がたいへんすばらしいです。
これぞ、ブルーベリーという景観植物として最高の品種です。
パールリバー(晩生)−− 樹勢はすばらしく強いです。
多少の土壌条件がよくない場所でも栽培可能です。
サンシャインブルー(中晩生)−− 葉は小葉で美しく、関東以西では常緑樹です。
花は赤色です。
冬の庭を楽しませてくれます。


 《苗木の植え付け
@ 時期−−  春(3〜4月)が最良の植え付け時期です。又、秋(11〜12月)も植え付けができます。
A 苗木−−  2〜3年生の苗木が最も良く、活着します。
 植え付けが完了するまで、苗木は乾燥させないように管理して下さい。
B 苗木の刈り込み−−  ポット苗木では、高さを1/2に剪定し、最も樹勢の良い直立シュートを1〜2本だけ残して、他はすべて取り除いて下さい。(初年度は開花しないようにして下さい。)
C 植える深さ−−  有機マルチを与える場合には、苗木の上面が地面と同じ高さになるように植えつけます。
 有機マルチの無い場合には、土壌が安定するために地面よりポットの上面が、4〜5p深く植え付けて下さい。苗木の周りの土壌を足で踏み固めて、植え終わったら十分に灌水して下さい。


 《マルチ
 植え付け後、樹皮やおがくずやチップ等の有機マルチを10〜15pの厚さでマルチをしますと、土壌の湿り気が均一になり、土壌内の温度も下がり一般的に生長と生存率が高くなります。


 《肥料
 ブルーベリーは、肥料に敏感です。肥料過多だと簡単に枯れてしまいますのでご注意下さい。当社では、油かすを主とした有機肥料を施しております。
@ 1年目−− 植え付け直後には、肥料は与えないで下さい。
1回目 新芽が出て葉が十分大きくなった頃(関東地方:4月中旬〜)に有機肥料(油粕:骨粉 = 5:1)100gを樹より30p位離れた場所に施して下さい。
2回目 5月下旬にもう一度、有機肥料100gを与えて下さい。
A 2年目−− 分量は、1年の2倍にして、樹より45p離れた場所に施して下さい。


 《雑草管理
@ マルチをした場合−− ホームガーデンにおいての雑草管理には、マルチが最も良いです。植え付け後マルチを施し、2〜3年に一度マルチを補うことにより雑草の生える量は、軽減されますが、生えてきた雑草は取り除く(手で抜くか、鎌で取り除く)ことが大切です。周りに草が覆い茂った場合は、つる性の雑草や雑草の種子がマルチ内に入るのを防ぐためにも、頻繁に刈りとって下さい。
A マルチが無い場合−− ブルーベリーの根は、地表から非常に近くにあるので、深く耕さないで下さい。(3p以上鍬を入れない)雑草の発芽している時は樹の生長を阻害しないように、また大きい雑草を取り除く時は、樹の根が傷つくことの無いように、注意をして下さい。


 《剪定
@ ハイブッシュブルーベリー
植え付け時に1/2に樹を刈り込んだ場合
2年目は、ほとんど剪定は必要ありません。(花芽を全部取り除き、弱い枝、傷んだ枝を取り除くことは必要です。)
3年目は、同様の剪定を行いますが、元気なシュートや花芽はいくつか残しておきます。
4年目は、樹高120〜150pになり、収穫することができます。しかし、注意深く花芽を減らし過多の結実や若い枝が果実の重さで曲がってしまうのを防ぎ、成木になると弱く傷んだ古い枝は取り除いて下さい。高く勢いの良いシュートは刈り込み、結果枝(けっかし)が下の方につくように、樹高を押さえ結果シュートを減らし、花芽数を50%まで減らします。剪定は、休眠期に行います。
A ラビットアイブルーベリー
 最初の3年間の剪定は、ハイブッシュブルーベリーと同じです。
 しかし、結果枝(けっかし)を良くしシュートを強くするためには、必要以上に高く伸びるシュートは刈り込まなければなりません。
 肥料を与えなくても過度に伸びる樹勢の良い成木は、8月下旬に勢いの良すぎるシュートを刈り込むと樹高をおさえることができ、収量も増えます。
 休眠期の剪定は、ハイブッシュブルーベリーと同様です。しかし、結果シュートを減らすことはあまり必要なく、サッカーを取り除く必要はあります。


 《収穫
@ 収量−− 手入れの良いハイブッシュブルーベリーとラビットアイブルーベリーの成木では、毎年3〜5s以上の果実が収穫できます。ラビットアイブルーベリーの品種では、時には12sになることもあります。
A 防鳥−− 鳥はブルーベリーの果実を好み、小さな樹や全ての果実を食べてしまいます。実用的な唯一の対策法は、防鳥ネット(20o角目)を直接、樹に掛けたり、支柱等でネット設備をします。
B 収穫−− ハイブッシュブルーベリー3〜5日ごとに(気候による)に収穫すると、果実品質は最高です。また、ラビットアイブルーベリーは、5〜7日毎に収穫すると熟しすぎの果実が少し出ますが、風味は最高に良い状態になります。